此処で大事なことはこの身動きが取れない大怪我の中で学ばなければいけないのは、怪我の動機を考え反省する事ではなく、何気ない日常の豊かさに感謝の意をもって生きなければならないのかを教わる事である、顔を洗いに行く、トイレに行く、風呂に入る、今は何もできない立つ事さえ、歩く事さえできないのだから当然のことであろう、そのような中での一枚の紙オシボリ、一杯の温かいお茶なのだ心底有難いのも頷ける、
そうこうしているうちに『食事です』と病院の朝食が目前に運ばれてくるのだ
なんと僕の体に優しい食事なんだろうか、隣のベットの患者が、向かえのベットの患者がズルズルとお粥を啜る音がなんでこんなにぼくの心を揺さぶるのだろうか
身震いするほど揺さぶられる、骨折り損のくたびれもうけなどという例えもあるが